小田原に行ってきました 午後編


箱根湯本から小田原に戻り、小田原城を目指します。
駅を出ると、すでに城が見えています!


その前に、まずは駅から近い氏政氏照の墓所に行きます。
旅行前から「小田原城に気を取られて墓所に行くのを忘れるのではないか」と薄々思っていましたが、やはりその通りになりかけました・・・。城を見るとテンション上がりますから。


駅から歩いてすぐにある、おしゃれ横丁という商店街の一角に墓所があります。
場所がわかりにくいという噂も聞いていましたが、案外すぐに見つかりました。

実はこの墓所には、氏政の最初の正室の黄梅院の五輪塔もあります。
黄梅院は武田信玄の娘で、北条・武田・今川で三国同盟を結んだ際に氏政に嫁ぐことになりました。しかし信玄の駿河への侵攻により同盟は破綻し、黄梅院は甲斐に送り返され、間もなく亡くなります。
氏政は武田とふたたび同盟を結んだ際、黄梅院の分骨を早雲寺で埋葬しています。
夫婦を同じ墓所にしたのはすこぶる正しいと思います・・・。氏照気まずいけど・・・。



あとこの墓所には、「幸せの鈴」というものがありまして。
近隣のお店に置いている鈴をもらい、願い事をして、それが叶えばまたこの墓所に返しに来るといいよというものです。
返ってきた鈴でいっぱいになってます。
しかしとてもじゃないけど、この墓所でこの二人に願い事とか申し訳なくてできません。(いちおう鈴もらって願掛けしましたけども)
個人的になにより問題だったのが、服のポケットにカメラケースを入れていたのですが、そのカメラケースには上杉謙信のストラップをつけていて、ポッケからずーっと謙信がぶらさがっていたことです。
謙信連れてきた人間の願い事も叶えてもらえるんでしょうか・・・。


さて、小田原城に向かいます。その道すがら、猫を見つけました。

この猫のいた場所は、小田原城の三の丸の土塁跡でした。
城を守っているとしか思えん。
土塁跡は城からやや離れた場所にあり、小田原城の広さを感じさせます。



小田原城門にかかる橋です。
まずは、小田原城内にある「歴史見聞館」に入ることにしました。北条五代や小田原の歴史についての展示がいろいろあります。
五代の功績がわかりやすくまとめられていました。
個人的に見所だったのが、動く人形と映像を使い、小田原評定を再現しているシアターでした。
そこに置いている氏直人形が和風イケメンすぎて、思わずシアターに入り浸り複数回映像を見ました。
アラサーの微妙な頬の衰えまで再現しているのにかっこいい、只者じゃないぞこの人形の製作者は・・・と思いました・・・。わたしもこれくらい再現力がほしい・・・。
そして氏直をそのまま老けさせたかのような氏政人形も、初老でオール白髪なのにかなりシュッとしていて、製作者のこだわりを感じるほかありませんでした。
ちなみに氏照はわりと普通のおじさんでした←
あとこの製作者さんは、阿修羅像が好きなんじゃないかと思う。
見聞館の出口には、北条家の虎の印判を再現したスタンプが置いていたので、喜んで押しました(笑)



天守に入る前に何か食べよう、ということで北条うどんを食べました。
例によってどのように北条なのかわかりませんが、美味しかったです。

小田原城天守です!
「この角度からのこの天守の感じは、なんかどこかで見たことがある・・・」と思ったら、無双3の小田原ステージでした。
天守の中は展望台と博物館になっています。
この博物館が思っていたよりも展示物が多く、見るのにけっこう時間を使いました。
考えたら当たり前のことですが、北条五代以降の江戸期の展示物も多く、小田原城は北条のものだけではなかったと気づきました。

海が見えます!太平洋が!わーい!
この日は曇り気味だったのですが、このときは晴れていて嬉しかったです。


箱根方面です。山に太陽が沈んでいく。
展望台を満喫したあとは、ふたたび展示品をじっくり見てみました。
といっても閉館が迫っていたので、戦国関連の展示物以外は簡単に見ていっただけになりました。
また次回に見ましょう(`・ω・´)

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さて、小田原城を出て新幹線までの時間が余ったので、もう一度あの二人の墓所に寄ることにしました。

夜のおしゃれ横丁。
雰囲気があって好きです。

夜の墓所
この階段をのぼるとき、ふと線香の匂いがしました。

もしやと思い見てみると、焚いたばかりの線香が・・・!
(写真ブレてますけど)
私がここに来る数分前くらいに、誰かがお供えしたんだと思います。

昼間は注目してなかったのですが、枯れていない、新しいきれいな花がたくさん供えられているのに気づきました。
そして、昼間来た時も今も、私以外にも常に何人か墓所に来ている人たちがいたことにも気づきました。
氏政氏照は地元の人や訪れる人たちにすごく大切にされているんだ、と感激し居ても立ってもいられなくなり、私も近くのアーケードで仏花を買ってお供えしました。
もしかしてこのためにアーケードの目立つところに思いっきり花売り場があるのか・・・?と思いましたが、まあいいです。
実は今回の旅でいちばん心動かされたのが、小田原城でもなく早雲寺でもなくこの墓所でした・・・。
当日につぶやいた私のツイッターのつぶやきから引用します。

『たとえば謙信とかは神扱いで神社などを建ててまつられているけど、氏政氏照は神扱いではなくて、墓所は商店街の中にあって、それでもたぶん地元の人だったり訪れた人たちが、そっと供養しているというのに心打たれてしまった』

戦国武将としては(一般的には)けして有名というわけでもなく、大きな名声を得ているとも言えない二人が、住んでいた地にできた小さな商店街の一角でそっと供養してもらっているということに、こちらまで喜ばしく思えてきたのです。
そんな気持ちのまま新幹線の時間が近づいてきたので小田原駅に戻り、駅でおみやげを買って帰りました。
今回の小田原旅行で、北条家の人たちの軌跡を間近に感じることができました。
現地に行ってみて感じる感情は貴重で、本やネットで調べるだけでは気づかないことにも気づきます。
ここまで読んでくださったみなさん、ありがとうございました!